今が見ごろのやつやまの植物

4月に入り、全国各地からさまざまな春の花の便りが届いていますね。
谷津山にも、たくさんの花が咲いています。
外出にも最高の季節です。ぜひ谷津山にお越しください。(写真はすべて、2026年4月12日に会員が撮影したものです。)

①ツボスミレ(スミレ科)

僧が読経や説法の際に手に持つ、孫の手のような形をしたものに形が似ていることから、別名ニョイスミレとも呼ばれます。

ハイキングコース脇のやや湿った草地に群生しています。

やつやまでは淡紫色のタチツボスミレも多く目にしますが、白系の小さめのこの花もなかなか可愛いものです。

②ヒラドツツジ(ツツジ科)

植栽ものであるが、数多くの花が咲き、見事です。

花の上部の花弁にある濃い色の斑模様は、蜜のありかを教える目印で、「ガイドマーク」と言われます。
このマークを目指してやってきた昆虫が、花の中に潜るときに受粉します。

数あるツツジの花をいくつか覗き込むと、ちょっと不思議な花が見つかります。
おしべがおしべになり切れず、花弁の名残を残している花です(写真の中で赤い矢印で示した部分)。

花弁もおしべも葉から変化したものと言われています。そう言い出したのは、かの有名なゲーテだそうです。
ゲーテは、文学者でもあり植物学者でもありました。
1760年に「植物変態論」という本を著しています。

③ウラシマソウ(サトイモ科)

花序から延びる付属体を、浦島太郎の釣り竿に見立てたと言うのが、名の由来だそうです。
そう見えるかな? ちょっと無理があるようですが・・・。

肉穂花序は、仏炎苞に包まれて見えないが、匂いを発して昆虫を誘い受粉します。
確実に受粉するための、巧妙な仕掛けが隠されています。

➃オオバウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)

奇妙な形の花ですが見ていて飽きません。
下に横から見た写真を載せたが、まるで金管楽器のサキソフォンのようです。
花弁はなく、見えているものは萼筒で、内部は紫褐色の細かい筋が血管のように見えます。
虫が中に入ったらなかなか出られない。もがいているうちに受粉させる作戦です。

オオバウマノスズクサもウマノスズクサも共に、ジャコウアゲハ(右下の写真)という蝶の幼虫の食草になっていますが、有毒植物です。
ジャコウアゲハはこの葉が好物なので、幼虫も成虫も、体にスズクサの毒をためて、天敵から身を護っています。

ジャコウアゲハには、翅や体に赤い斑紋があり目立ちますが、食べられないので、安心して優雅に飛んでいます。
オナガアゲハやクロアゲハなどは、ジャコウアゲハにあやかって、そっくりに擬態しています。

⑤カマツカ(バラ科)

漢字で鎌柄と書き、道具の柄に使われたことが名の由来とのこと。
別名「牛殺し」。材が固いので、牛の鼻輪にしたからとか。
鉋台とか大八車などにも使われました。

花は、直径1cmほどで短枝に花序をつける。

谷津山には、清水山公園から1段上がった広場の、北側斜面に1本あるのみの貴重な植物です。